会社説明会の資料を拝見すると、ほとんどの会社に同じ言葉が並んでいます。

「風通しがいい」
「アットホームな職場」
「若いうちから活躍できる」

どれも本当のことだと思います。それでも、この三つは書かないほうがよいと私はお伝えしています。他社と一言一句同じだからです。

学生は、同じ言葉を何十回も聞いている

就職活動中の学生は、ひとつの時期に何十社もの説明会に出ます。そこで同じ言葉が繰り返されると、どうなるか。

その言葉自体が、意味を持たなくなります。「風通しがいい」と聞いた瞬間、学生の頭の中では「またこれか」という処理がされて、そこから先の話が入りにくくなってしまうのです。

せっかく本当のことを話しているのに、他社と同じ言葉を選んだせいで信じてもらえない。これはとてももったいないことです。

抽象的な言葉を、事実に置き換える

やるべきことは、言葉を飾ることではありません。逆です。抽象的な言葉を、起きた事実に置き換えるのです。

  • 「風通しがいい」→「入社二年目の社員が出した改善案が、今の主力商品になりました」
  • 「アットホーム」→「毎週金曜の夕方、部署に関係なく三十分だけ雑談する時間があります」
  • 「若いうちから活躍できる」→「昨年、二十六歳の社員が初めて自分で契約を取った日のことをお話しします」

事実は、他社と重なりません。御社にしか起きていないことだからです。そして事実には、聞いた人がその場面を想像できるという強さがあります。

置き換えの手順は、三つだけ

難しいことはありません。

  • 資料のなかの抽象的な言葉に線を引く(「風通し」「成長できる」「やりがい」など)
  • その言葉ごとに「そう言える出来事をひとつ挙げてください」と社内で聞く
  • 返ってきた出来事を、そのまま資料に書き換える

実際にやってみると、二つめで手が止まる会社が少なくありません。言葉としては使っているけれど、裏づけになる出来事がすぐに出てこないのです。それが分かること自体に価値があります。出てこないのであれば、その言葉は今年の説明会では使わない、という判断ができるからです。

「うちは地味な会社なので、語れる話などありません」とおっしゃる方もいらっしゃいます。ですが、これまで一社もありませんでした。社員の方に丁寧にお聞きすれば、必ず出てきます。社内では当たり前になっていて、誰も価値だと思っていないだけなのです。

外から来た人間が聞くと驚くような話が、日常のなかに埋まっています。

まとめ

  • 「風通しがいい」「アットホーム」「若いうちから活躍」は他社と完全に重なる
  • 同じ言葉を選ぶと、本当のことでも信じてもらえなくなる
  • 抽象的な言葉は、実際に起きた事実に置き換える
  • 事実は他社と重ならず、聞き手が場面を想像できる

説明会の原稿を一枚拝見すると、書き換えるべき箇所はすぐに見つかります。ほとんどの会社が、語れる事実をすでにお持ちだからです。ただ、それが社内では当たり前すぎて、価値に気づかれていないだけなのです。

会社説明会や採用の伝え方を見直したいとお考えでしたら、企業研修のメニューをご覧ください。お問い合わせからご相談いただけます。


この記事に関連する企業研修

学生に選ばれる会社説明・プレゼンテーション研修
会社概要の説明ではなく、自社の魅力が伝わる話し方に変える研修です。

人数・時間・ご予算に合わせて組み立てます。内容が固まっていない段階でも構いません。お問い合わせはこちらからご相談ください。そのほかの研修は企業・自治体向けの研修と講演のページにまとめています。